児童福祉施設入所措置等の期間更新の承認申立事件

(申立ての要旨)
主文同旨
(当裁判所の判断)1 一件記録によれば.以下の事実が認められる。(1) 事件本人は,本件本人親権者母(以下「実母」という。)の非嫡出子であり,実父は不明である。平成15年2月27日,東京家庭裁判所において,実母は事件本人の監護養育を著しく怠り,また身体的虐待もあったとして,申立人が事件本人を児童養護施設に入所させることを承認する旨の審判がされ(原審判J),同年3月18日,同審判は確定した。(2) 平成15年3.d26日,申立人は,事件本人を児童j養護施設に入所させる措置を採った(以下「本件入所措置」という。)。・その後,事件本人は,同施設における集団生活の中で問題行動が頻発したため,平成17年3月31日, 家庭的な雰囲気を持つ別の児童養護施設に入所させる措-置が採られた。事件本人は,入所当初に比べるとやや落ち着いてきたものの,施設内におし、て,挑発的な言動が多く,かんしゃくを起こして物を投げたり,相手をかんだりすることや,.1泣いてパニックになることがありー,また,職員との関係でも,男性職員にはべたべたと甘える反面.女性職員には攻撃的な言動をするなどの問題行動がみられる。なお,事件.?京大は,同年4月から施設近くの小学校に通っており何年に在籍),W~入当初は他の生徒とトラフ・ルがあったものの, 特に問題なく過ごしてし、る。事件本人は,実母と一緒に暮らすことについ毛は,消極的な態度を示している。(3) 実母は,原審判の際,家庭裁判所の調査及び審聞にe出頭しなかった。また,本件入所措置後,申立人は,手紙及び家庭訪問,福祉事務所の生活保護ケースワーカーを通ーじての状況把握という方法により,実母への働き掛けを試みてきたが,実母からは全く連絡がなく,指導はもとより接触することすらできなかった。本件の審理においても,家庭裁判所調査官からの調査の呼出しに応じず,家庭裁判所調査官が同人の肩書住所地を訪問をしたが,全く応答がなかった。
2 以上の事実に基づいて検討する。実母は,本件入所措置後申立人との接触を拒否し続けており,家庭裁判所の調査にも応じない。そのため,現在の同人の生活状況や事件本人の養育に対する考え方を把握することはできないが,少なくとも改善したと認めることはできず,事件本人を同人の元に返すと,再ぴ虐待等を受けるおそれがあると考えられる。そして,事件本人は施設及び学校において落ち着いた生活をしているものの,問題行動もあり,その年齢,君、向等も考え併せると,引き続き現在の施設において監護養育していく必要があることは明らかである。したがって,本件入所措置を継続しなければ著しく事件本人の福祉を害するおそれがあると認められ,措置の期聞を更新することが相当である.
3 本件入所措置は,平成;15年3月26日に採られたものであるが,児童福祉法の一部を改正する法律附則4条により,平成16年4月1日に措置が採られたものとみなして改正後の児童福祉法28条2項を適用することに・』主るので,平成18年4月1日から措置の期間を更新することになる。よって,主文のとおり審判する。(家事審判官岡健太郎)

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